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2026.04.30

歯科金属アレルギーの症状・原因・治療法を歯科衛生士が解説|パッチテストから除去まで

蕨市の歯医者、蔵元歯科医院・衛生士の蔵元です。

 

今回は、歯科における金属アレルギーについて説明したいと思います。

金属アレルギーに含まれる歯科金属アレルギーとは、口腔内に存在する金銀パラジウム合金などが原因で、口腔内や皮膚に炎症が起きる疾患のことです。50歳代女性に多いとされています。口腔内の金属物を除去していくと皮膚の症状などが治ることもあります。

しかし、金属アレルギーの症状である皮膚炎症は、必ずしも歯科金属のみでなく、さまざまな原因が考えられます。

シャンプーや洗剤などの日用品や化粧品、植物、食べ物、医薬品によるものなど、さまざまなものがあります。なかには、食べ物の中に金属が多く混入しているものもあり、たとえば、チョコレートには「ニッケル」という金属が多く含まれているなどその判断は難しいのです。

 

金属アレルギーは2種類にわけられます

金属アレルギーには2種類あり、ネックレスやピアスなど直接皮膚に触れる部分が赤くなる「局所性の金属アレルギー」と、直接触れている部分とは離れた場所に症状が出る「全身性の金属アレルギー」があります。

歯科金属アレルギーは「全身性の金属アレルギー」に分類され、歯科で治療ができるのは歯科金属が原因である場合のみとなります。

 

パッチテストで金属アレルギーの有無がわかります

金属アレルギーの診断には、原因を確定する皮膚科のパッチテストが有効です。

検査では、背中にテストシートを貼り、貼った箇所が赤くなるかどうか診ていきます。

ヘアカラーなどのパッチテストは数日で結果がわかりますが、金属アレルギーは長時間経過後に症状が出ることがあるため、長期間の観察が必要です。

主なスケジュールとしては、貼布3日後に剥がし、その翌日、貼布1週間後、そして1か月後と通院していただき、経過を観察します。

夏場などは汗のかぶれにより赤くなることがあり、原因を特定できないため、夏場の検査の場合は入院することもあります。

他のアレルギー検査で血液検査が用いられるように、金属アレルギーにもDLSTという血液検査がありますが、本当は陽性でないのに陽性反応が誤って出てしまう「偽陽性」が非常に多いとされています。

面倒ですが、現時点で、パッチテストに変わる診断方法はないのです。

 

歯科における陽性金属の除去前に歯周治療が必要です

皮膚科でのパッチテストで歯科金属に陽性反応があると診断された場合、歯科でのその原因となる詰め物や被せものを取り除き、アレルゲンフリーの素材に置き換えます。

除去する際にラバーバムというゴムのマスクを用いますが金属の削片が歯ぐきに飛び散ったりすると、それが原因で翌日などに一時的に皮膚症状が悪化することがあります。

ただ、これは一時的なものが多く、時間とともに治ることが多いので、心配いりません。

しかし、歯周病などで歯ぐきに炎症がある場合は、体内に金属イオンが取り込まれる確率が高まり、さらに皮膚症状を悪化させてしまうことがあります。

そのため、まずは歯周病の治療をしていただき、その後に詰め物や被せものを取り除いていきます。

 

保険治療が可能ですが、置換に選べる材料に限りがあります

皮膚科にて金属アレルギーの診断がされれば、基本的に保険で治療できます。

コバルト以外の金属アレルギーであれば、入れ歯も保険の範囲内にて診療可能です。

最近では、前歯にもCAD/CAM冠が保険で選べるようになるなど適応範囲も広がり、金属アレルギー患者さんにやさしい時代となりました。

しかし、保険診療で選べる素材(CAD/CAM冠)は、素材的には保険外診療で用いられるセラミック(ジルコニア、e-max)に比べてやわらかく、嚙む力が強いと割れてしまったりします。そのため、あまりおすすめできません。

ブリッジでも「高強度硬質レジンブリッジ」という、金属を用いない治療が保険でできますが、強度が非常に弱いというのが現状です。

 

歯科金属にくらべ体に安全で長く機能する素材があります

歯は詰め物や被せものをしても直りますが治りません。

つまり、虫歯になってしまった歯は自分自身の細胞では元どおりに再生されません。

詰め物や被せものに使われる金属の寿命は「7年くらい」といわれています。

お口の中では唾液や日々の飲食物など過酷な環境下にさらされるため、劣化が早いのです。

そしてそれが経年的に溶け出します。これは誰しもが起こるわけではありませんが、人により許容範囲が異なり、それを超えた時にアレルギーは突然発症します。

今は「人生100年」と言われる時代です。同じ歯の治療は平均5回程度までしか行えませんし、いちばん大切なのはご自身の歯を削らずに守ることですが、治療が必要となることもあるでしょう。

その場合の選択肢として、金属材料にくらべ、体にとって安全で、機能的に長く持つセラミック素材もあります。

自費診療となりますが、世界中をみても「セラミック(ジルコニア、eーmax)などでアレルギーを起こした」という報告がないこともあり、現時点では非常に安全といえます。

 

まとめ

歯科金属アレルギーは、正しい診断と段階的な治療によって、症状の改善が期待できます。

気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

お口の健康を通じて、全身の健康をサポートできるよう、丁寧に対応いたします。

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