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2024.06.25

老後を視野に入れたインプラント治療。リスクやデメリットを事前に理解する。

こんにちは。夏が近づいてきましたね。

院長の蔵元です。

老後を視野に入れたインプラント治療についてお話ししていきたいと思います。

 

老後に受ける抜けた歯の治療方法

年齢を重ねると身体的な衰えは勿論ですが、歯周病などの影響で歯が抜ける機会が増えます。

抜けてしまった歯への治療としては「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」のいずれかになります。

 

 

総入れ歯

上下の顎または片方の顎に歯が残っていない場合に欠損部位を補綴する方法です。

欠損部位を入れ歯で多い吸盤のように吸着させることで入れ歯を安定させます。

総入れ歯は患者様ご自身による取り外し式となります。

制作期間は型取りしてから3〜4週間でできます。

 

 

部分入れ歯

健康な歯と歯がなくなっている部位が混在している場合に、欠損部位を補綴する方法です。

健康な歯に金具をかけるなどして入れ歯を安定させます。

部分入れ歯は患者様ご自身による取り外し式になります。

欠損している歯の本数によって製作期間が違い、型取りしてから1〜4週間でできます。

 

 

ブリッジ

歯を失った部位の両隣の歯が健康の場合に欠損部位を補綴する方法です。

歯を失った部位の両隣の歯を削り欠損部位を含めた連結された被せ物を接着剤で固定します。

ブリッジの場合、ご自身で着脱することは出来ず、固定式になります。

欠損している歯の本数によって製作時間が違いますが、抜歯後2〜3ヶ月待ち(見た目が気になる部位には仮歯を入れて傷が治るのを待ちます)型取りをして1〜2週間でできます。

骨や歯肉が吸収している場合は再生手術を行うこともあるので治療期間が約3ヶ月延長します。

 

 

インプラント

失った歯の本数に関わらず欠損部位にインプラント体(人工歯根)を埋めて被せ物を作って補綴する方法です。

残っている歯に負担をかけることなく治療ができます。

インプラント体を埋める施術となるため、固定式になります。

欠損している歯の本数、歯や骨の吸収によって治療期間が変わってきます。

抜かなければならない歯があって周りの骨や歯肉への炎症が軽度の場合には歯を抜いた当日にインプラント体を埋めて2〜3ヶ月後には最終的な被せ物が入ります。

条件が良かったり審美エリアでは手術の当日に仮歯が入ります。

大きく骨や歯肉が吸収してしまっている場合には再生治療が必要となり6〜12ヶ月治療にかかることもあります。

インプラント治療

 

 

歯を失う年齢とその数

少し古いデータになりますが、平成23年度歯科疾患実態調査では、1人平均喪失指数は40歳代前半までは1歯以内にとどまっていますが、40歳代半ば以降は徐々に喪失指数は多くなっていきます。

60歳代前半では約6歯となります。

さらにその後も喪失指数は多くなり80歳代前半では約16歯となります。

つまり、60歳代以降は10年間で5歯失うということになります。

 

 

老後に行うインプラント治療のデメリット

インプラント治療は何歳の方でも受けることができます。

しかし全身疾患、服薬されているお薬の状況によっては治療を受けれない場合があります。

 

 

骨の量が少ない場合

骨の量が少なくインプラント体を埋めることができない場合があります。そんな時には骨の再生治療を行いしっかりと骨が再生してからインプラント体を埋めることがあります。

その場合には骨がもともとしっかりある方に比べ治療期間が3〜6ヶ月ほど伸びてしまう場合があります。

見た目が気にならない場所であれば、被せ物の歯の形態を工夫することによって、低侵襲で治療期間を短くして機能回復を行うことも可能な場合もあります。

 

 

治療費や期間がかかる

何歳で治療を受けても治療費や治療に違いはありません。

失った歯の本数や骨の状態により変わってきます。

 

 

メンテナンスが必要

インプラント治療を行った後はご自身の歯と同様にメンテナンスが必要になります。

ほとんどの場合歯を失ってしまう原因は、外傷を除き不適切なブラッシングによるものがほとんどです。

不適切なブラッシングにより、虫歯になり・神経を失い・歯が割れてしまう、歯周病になり歯がグラグラになり噛めなくなるなどの状態になり抜歯になってしまします。

なので歯を失った場所は歯磨きが苦手なところが多いのでセルフメンテナンスが完璧にできないところは病院でのメンテナンスも必要になります。

 

 

外科手術を受ける体力的な負担がかかる

簡単なインプラント手術であれば麻酔が効いてから処置をしていき手術時間は30〜60分程度で終わります。

本数が多かったり再生治療も一緒に行う場合には数時間になることもあります。

数時間に及ぶ手術の場合は、体力を消耗します。

医院では体力的に心配がある方、手術が怖い方には、寝ている状態で手術を受けられる静脈内鎮静法をお勧めしています。

麻酔の専門の先生と一緒に生体モニターで全身状態を把握しながら種々を受けることができ快適に手術を受けることができます。

 

老後に行うインプラント治療のメリット

インプラント治療を行うことによって噛み合わせが安定し、咀嚼能力が上がります。

咀嚼能力が高いとなんでも食べることができ身体機能・生活機能・免疫能の維持向上が図られます。

そしてさらにはQOLの維持向上・健康寿命の延長にもつながります。

 

 

しっかりと噛むことができるため食事を楽しめる

歯がない状態ではうまく咀嚼ができず食べられるものの種類や形状が限られてしまう場合があります。

インプラント治療を行うことによって咀嚼能力が回復し快適に食事をすることができます。

 

 

外見が健康的で若々しく見える

入れ歯の形態によっては入れ歯の安定のための金具が話していたり、笑ったりすると見えてしまう場合があります。

インプラント治療をすることで自然な見た目になることができます。

 

 

認知症リスクを下げられる

2005年に東北大学の研究グループが、残っている歯の減少とともに脳も萎縮し脳機能が低下すると報告しています。

認知症予防にとっては残存指数の影響も大きく、どのようなものでも支障なく噛めるという口腔環境が重要な要因であると考えられています。

 

 

老後のインプラント治療の注意すべき点

ご自身の歯と同様にインプラント治療後にはメンテナンスが必要になります。

メインテナンスではご自身で行う日々の歯磨きによるセルフケアと、病院で行う歯科医師・歯科衛生士によるプロフェッショナルケアを行うことが大切です。

 

 

歯科医院を慎重に選ぶ

インプラント治療は手術や被せ物の綺麗さだけでなく治療後のメインテナンスまでが重要になってきます。

患者様が気持ちよく通える病院を見つけてもらうことが大切になります。

 

 

持病・治療歴・服薬状況を伝える

インプラント手術は外科治療になるので、患者様の全身状態を把握していないと行えません。

これは抜歯などの処置でも共通のことなので、現在の状態を教えていただきたいです。

またお薬の変更や通院状況が変わった際にも教えていただきたいです。

 

 

通院が難しい場合の選択肢

なんらかの理由で通院が通院ができない場合は、当院では訪問診療も行っています。

通院できずセルフケアだけでは心配な方は、私たちがご自宅や入院先にうかがいお口の中のクリーニングを行うこともできます。

いつでもご相談ください。

 

 

まとめ

インプラント治療に年齢制限はありません。インプラント治療に興味がある方はいつでもご相談下さい。

しっかり噛めることによって健康寿命を延ばしていつまでも元気でいられるようにしていただきたいと思います。

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