
2025.09.16
歯科麻酔は痛い?効かない?副作用は?|種類と注意点を歯科衛生士が解説
こんにちは!
蕨市の歯医者、蔵元歯科医院の歯科衛生士、蔵元です。
歯科治療を行う際に、歯科麻酔をすることがあります。
歯科麻酔は治療中痛みが出ないようにするために主に行いますが、針を刺すので、恐怖を感じてしまう患者さんも少なくはないです。
ですので今回は歯科麻酔を使った治療を少しでも恐怖なく受けていただくために、歯科麻酔についてお話したいと思います。
歯科麻酔にはいくつか種類がある
歯科の麻酔には塗るタイプと注射のタイプがあります。
・表面麻酔
歯ぐきに塗って注射の痛みを和らげます。歯石の除去や乳歯の抜歯の痛みを和らげます。3分くらいで効き始め、10分程度続きます。
・浸潤麻酔
ピンポイントで麻酔を効かせる麻酔で、治療部位の周囲に麻酔を注射する方法です。必要な部分にだけに30分~60分程度の効き目が得られるので、広く用いられます。
・伝達麻酔
広い範囲に長時間麻酔が得られます。神経の近くに麻酔を注射します。効き目が2~3時間続くので、親知らずの抜歯やインプラント手術などにも適しています。
歯科麻酔の不安を和らげる方法について
痛みが怖い場合
痛みを小さくするための準備をして安心して受けましょう。
緊張すると刺激に敏感になるのは、日常生活の中でもよく経験することです。
‘緊張‘という精神的ストレスを軽減することが痛みを和らげることにつながります。麻酔を使った治療が予定されているときは、できれば体を締め付けない楽な服装と歩きやすい靴でいらしてください。
麻酔が効きにくいことが不安な場合
麻酔がききにくい条件と対応を説明します。
歯は顎の骨に埋まっているので、麻酔薬が神経に届くためには、麻酔薬が骨のなかにしみていかなければなりません。緻密な(しっかりした)骨の持ち主では、麻酔薬が浸透しにくく効きにくいといえます。効きにくい骨質の場合はより強い麻酔を行います。
麻酔薬は歯の神経(歯髄)に作用して効果を発揮します。効果は麻酔薬の神経への伝達のしやすさに左右されるので、お酒の強い人は効きにくいといったことはありません。
歯科で一般的な「浸潤麻酔」では、麻酔薬が顎の骨のなかに浸透し、歯の根の周囲にある神経に作用して効果を表します。ですから顎の骨が緻密で硬い方では、麻酔薬が神経に到達しにくく、効果も得にくいと考えられます。
そういった方には、「伝達麻酔」を行います。
伝達麻酔では、麻酔薬が神経に直接作用するため効果は確実とはいえ神経の走行には個人差があるので、効果が得られない場合は、場所を移して再度注射することがあります。麻酔がきちんと効いているかどうかは、治療の前に確認しますので、ご安心ください。
麻酔で気分が悪くなってしまう場合
この原因のほとんどは、麻酔に対する恐怖心によるものです。恐怖心は心臓と血管に作用したり、呼吸を早めたりして、脳を流れる血液を減少させます。これらを防ぐためには、リラックスすることが効果的です。歯科治療中に気分不快を覚える場合、多くは血管迷走神経反射、三叉神経迷走神経反射と呼ばれる生体反応が原因です。
前者は不安や恐怖が引き金となり、後者は痛み刺激が原因となって、血圧が低下し、脈拍が低下して脳に十分な血液が流れなくなるのです。これらは麻酔にともなって発症することが多いため、麻酔薬アレルギー(アナフィラキシー)と誤解されることが少なくありません。しかし、アナフィラキシーと異なり、安静にしていれば回復します。
もう一つの原因として、過呼吸発作が挙げられます。こちらも不安や恐怖、痛みなど、精神的・肉体的ストレスが引き金となって激しい呼吸をするようになり、脳血管が収縮して十分な血液がながれなくなることで発症します。
常用薬がある場合には注意が必要
麻酔を受けるにあたって、服用中の薬があれば、必ず担当の歯科医師・歯科衛生士におしらせください。
麻酔薬そのものは安全性が高く、他の薬剤との相互作用もありますが、麻酔薬に含まれるアドレナリンが関係する場合があります。麻酔の効果を高めるために加えられているアドレナリンは、心臓のはたらきを促進し、血管の拡張や収縮を起こし、血糖値を上昇させます。そこで、高血圧や心臓疾患、糖尿病などの治療をうけられている場合は、服用中の常用薬とアドレナリンとの相互作用を確認しておく必要があるのです。
心臓や血管に作用する薬のほか、気管や精神運動機能に作用する薬との間にも相互作用を起こします。注意が必要な全身疾患は、高血圧、狭心症と心筋梗塞、脳梗塞、不整脈、喘息、糖尿病、統合失調症、パーキンソン病などです。
まとめ
麻酔を使う処置は患者さんにとってストレスの大きな処置だと思いますので、悩まずにまず、当医院の歯科医師・歯科衛生士にご相談ください。
蕨市の蔵元歯科医院では、患者さん一人ひとりに合った麻酔方法を提案し、安心して治療を受けていただけるようサポートいたします。