2023.06.21
歯肉が痩せてしまったことにより、歯が長くなって見える・歯がしみるといった症状がある方
こんにちは。
蔵元歯科医院の蔵元です。
歯肉が痩せてきて、昔より歯が長く見える・歯がしみるといった症状のある方に歯肉の移植手術(歯周形成外科)についてお話しさせていただきたいと思います。
歯肉が痩せてしまう(歯肉退縮)原因
生まれつき歯肉・歯肉の下にある歯を支える骨が薄い、不適切な歯磨き、被せ物・詰め物があっていない、歯列矯正を行っている・行ったことがあるなど色々な原因が考えられています。単独で起きてしまうのか複合して起きているのかいまだにはっきりとした原因は分かっていません。
歯肉退縮の有病率
日本では76%の方に歯肉退縮があるデータがあります。これは海外の方と比べると高い有病率(ex:アメリカ63%)になります。日本人は一般的に歯肉が薄く、その下にある歯を支える骨も薄いといわれています。そのため海外の方に比べ有病率が高いと考えられます。
歯肉退縮の進行
海外の調査になりますが約9年の観察期間の間に78,1%部位で進行が見られれました。何もしないでいると症状はどんどん進行してしまう可能性が非常に高いことがわかります。
症状は20代の方にも見られ、治療をして進行を止めることをお勧めします。
歯肉退縮が起きるとどうなる
歯の根元が露出してしまうため、知覚過敏症状(冷たい・暖かい・甘いものでしみたり、歯磨きの時痛みを感じる)が生じます。
歯肉が下がってしまい歯が長く見えてしまい見た目が悪くなってしまいます。
歯の根本の部分は上部のエナメル質という部分に比べ、柔らかく歯ブラシで歯が削れてしまいます。
歯の根本の部分は上部のエナメル質という部分に比べ、虫歯になりやすくなっています。
歯肉退縮の治療方法 歯周形成外科(歯肉の移植手術)
見た目にそこまで問題が生じておらず、知覚過敏症状がある場合は知覚過敏抑制のための薬を患部につけることにより症状は改善することもあります。
しかし前述のように歯肉退縮は放置すると進行してしまう可能性が高いので、進行を止めたい、できる限り元の状態に戻していかなければなりません。
失った歯肉を再生、進行の予防のために歯肉の厚みを増大させるため歯周形成外科(歯肉の移植手術)を行います。
歯周形成外科(歯肉の移植手術)とは
失ってしまった歯肉を再生、歯肉退縮を予防するために歯周形成外科(歯肉の移植手術)を行います。
どのような手術かというと、ご自身の上顎から歯肉を採取して、下がってしまった歯肉の部分、歯肉が薄く歯肉の下にある歯を支える骨も薄い部分に採取した歯肉を移植します。
そうすることにより歯肉が再生します。完全に再生しなくても歯肉の厚みが増大して進行の予防になります。
まとめ
歯肉退縮が起こると歯の根っこの部分が露出します。
これは体だと皮膚がむけているような状態です。
その状態では外傷(歯磨き)、感染(虫歯)などに対しての抵抗力が下がってしまいます。
大きく虫歯になってしまったり、大きく削れてしまうと将来のリスクも考えると治療をすることをお勧めします。
気になる方はご相談ください。