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2025.06.19

歯の根元に虫歯!?見逃しやすい根面う蝕の症状と原因

蔵元歯科医院、歯科衛生士の蔵元です。

 

皆さんは根面う蝕(虫歯)という言葉を耳にしたことはありますか?

今回は根面う蝕についてお話したいと思います。

 

根面う蝕(虫歯)とは?

根面う蝕とは歯茎が下がり露出した歯の根っこの部分にできる虫歯のことを言います。

加齢や歯周病によって歯茎が下がり、通常は歯茎に覆われている歯の根元が露出することで発生します。

一般的な虫歯(=歯冠う蝕)がエナメル質に発生するのに対し、根面う蝕は歯ぐきが下がって露出した根の表面にできるのが特徴です

 

根面う蝕の主な症状

根面う蝕は、歯の根元にできる虫歯です。自覚症状が出にくいまま進行してしまうのが特徴です。

特に加齢や歯茎の下がりによって歯の根元が露出している方は、注意が必要です。

ここでは、根面う蝕に気づくための「主な症状」をご紹介します。少しでも当てはまることがあれば、早めのチェックをおすすめします。

・【症状1】冷たい、温かい食べ物や飲み物でしみる

・【症状2】歯の歯茎との際の部分が黒くなってきた

・【症状3】歯ブラシをすると痛い

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歯冠部う蝕(歯の頭の部分の虫歯)と根面う蝕(歯の頭の部分より下の虫歯)の違い

歯の頭の部分(歯冠部)は、エナメル質と呼ばれる酸に溶けにくい硬い組織で覆われていて守られていますが、歯の根の部分は、エナメル質に覆われていません。そのために、酸に溶けやすく、虫歯になりやすいだけではなく、虫歯の進行も早いです。

歯の根元の部分は、歯の部分(歯冠部)に比べて虫歯になりやすい理由は、エナメル質に覆われておらず、象牙質が露出しているからです。

象牙質は、エナメル質に比べて酸に溶けやすく虫歯になりやすい原因は以下の通りです。

 

象牙質は臨界pHが高く、酸に溶けやすいから

エナメル質はpH5.5より低くなると溶け始めます(臨界pH)。

一方象牙質の臨界pHは6.0~6.7程度で、エナメル質よりも酸に酸に溶けやすい性質があります。

通常、歯垢(プラーク)はpH7付近の中性です。

砂糖などの糖質を摂ると、プラーク中で酸が生産されます。

その後、唾液の緩衝作用によって元のpHに戻りますが、一時的にはpH4.5程度まで低下します。

 

象牙質は有機質が多いから

エナメル質は約95%が無機質で、有機質は1%程度であるのに対して、象牙質は無機質が約70%、有機質が約20%で構成されています。そのため、象牙質はエナメル質に比べて軟らかい(硬度が低い)のです。

無機質が酸で溶け出すだけでなく、有機質が分解されることでも、虫歯は進行します。

また、無機質が溶けて、残った有機質の隙間に細菌が侵入して留まることで、さらなる歯の根元の虫歯の進行の原因になります。

 

表面に象牙細管が開いているから

エナメル質とは違い、象牙質の表面にはたくさんの穴(象牙細管)があります。そのため、象牙質では、この穴(象牙細管)を通じて象牙質内部に細菌が侵入したり、酸が入り込んできます。

歯の根元の虫歯がエナメル質の虫歯と違って進行が速いのは、この細管の存在が大きくかかわっています。

 

高齢になると根面う蝕になりやすい

お年を重ねると、なんらかの薬を服用されている方が徐々に増えていきます。

薬のせいではありませんが、唾液の出が少なくなる副作用がある薬も多く、ご高齢になるとお口が乾き、唾液が少なくなると、これまで歯の根元に虫歯ができなかった方でも、歯の根元に虫歯が多発したり、急激に進行することがあるので、注意が必要なのです。

唾液は、虫歯菌によって作られた酸を中和して歯を酸から守る(緩衝作用)だけでなく、酸によって溶けた歯を元に戻す(再石灰化)力があり、この2つの力で虫歯から歯を守っています。

お年を重ねると自然と唾液の出が少なくなります。また、薬剤の副作用で唾液減少が起きることが多くあります。

その他、放射線治療などによって、唾液腺がダメージを受けた時なども唾液は少なくなります。

歯を守ってくれていた唾液が減ってしまうことで、これまで以上のケアが必要になります。

ご高齢の方ではさらに、舌や唇などのお口の周りの筋力が低下することで、お口の中全体に唾液が行き渡らなくなったり、唇を結びづらいためにお口の中の水分が蒸発しやすくなることでも口腔乾燥が助長されます。

そのような場合は、舌や唇などのお口を動かす体操(口腔周囲筋の筋訓練)をするといいでしょう。

 

根面う蝕のリスクファクター

歯茎が下がって歯の根元が現れてこなければ、そこが虫歯になることはありません。そのため、歯周病などで、歯茎が下がらないようにすることが、歯の根元の虫歯を予防するうえでもっとも重要です。

歯の根元の虫歯は、歯の頭の部分の虫歯と同じように歯についたプラークが原因です。

プラークが残っていたり、砂糖を含む食品を何度も摂取することで、虫歯になりやすくなります。そしてお口の中で菌を守る唾液の量が少なくなれば、さらになりやすくなります。

虫歯は酸よって歯が溶ける病気です。

歯茎に覆われている歯の根の部分は、酸性になりにくいため、虫歯になりにくいはずなのですが、歯周病などで歯茎が下がり歯の根元が露出してしまうと、歯茎で覆われていた象牙質が酸にさらされ、歯が溶かされて、歯の根元の虫歯ができてしまいます。そのため、歯の根元の虫歯を作らない環境をつくるためには、歯茎が下がるのを防ぐことがとても大切です。

そして、お口の中の汚れ(プラーク)が歯の根元の周りについていたり、砂糖を含む間食の習慣があったりすると、歯の根元の虫歯ができる要因になります。

さらに、唾液の量が少なくなると、お口の中の細菌が増えやすくなるだけでなく、唾液が持つ、酸で歯が溶け出すのを防ぐはたらきが低下するため、歯の根元の虫歯になりやすくなります。

 

まとめ

根面う蝕(歯の根元の虫歯)は、気づかないうちに進行しやすく、特に中高年の方に多く見られるお口のトラブルです。

食事や歯ブラシで歯がしみる、歯が黒くなってきた等の症状があれば、もしかすると根面う蝕のサインかもしれません。

早期に気づいて適切なケアを行うことが、歯を守る第一歩です。

少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

当院では歯科衛生士による丁寧なチェックと予防ケアで、大切な歯を守るお手伝いをしています。

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