2024.06.25
病的口臭の原因例。セルフケア・歯医者による改善方法も紹介
こんにちは、歯科衛生士の蔵元です。
前回は4種類の口臭について説明しましたが、今回はその中でも歯科に関係のある、病的口臭について詳しく説明したいと思います。
マスクを外す機会が多くなり、口臭を気にされる方が多くなってきました。
皆さんが、口臭を気にせず楽しくおしゃべりができるように待っていただきたいと思います。
病的口臭とは?
病的口臭は端的に言うと、病気が原因で発生する口臭のことです。
一般的な病的口臭のうち、多くが口腔由来とされています。
耳、喉、呼吸器、消化器などの病気や糖尿病などの、口以外の病気が原因の場合もありますが、約8割以上の原因は「口の中」にあります。
口の中の原因を取り除けば改善可能です。(虫歯・歯周病治療や歯ブラシをするなど)
口腔由来の病的口臭の原因例
口腔由来の病的口臭にはいくつかの原因があります。
ここでは良くある原因を紹介させていただきます。
①歯周病
歯周病は口腔内の清掃不良により歯周病原菌によって引き起こされる病気です。
その歯周病原菌によって口臭の原因となる物質を産生することによって、口臭が発現します。
歯周病が治癒していくと口臭が軽減していきます。
②虫歯
進行して歯の神経が腐ったり、虫歯でできた穴に食べ物が入って腐敗したりすると強い臭いがでる。
虫歯の治療をして清掃しやすい形態に回復することで、食べ物が詰まりにくくなりお口の中を清潔に保ちやすくなるため口臭が軽減していきます。
③舌苔
舌に付着している白っぽい汚れは細菌の塊で、食べかすやはがれた粘膜などの蛋白質を分解し、臭いを出す。
歯磨きの際に、舌も一緒に清掃していく徐々に舌の汚れが取れていき口臭は軽減していきます。
④歯垢(プラーク)
歯周病菌、虫歯などの細菌が集まった白色や黄色のネバネバした歯の付着物で、食べかすやはがれた粘膜などの蛋白質を分解し、臭いを出す。
食後、歯ブラシをしていただくことで、歯周病や虫歯の原因となる食べかす等がなくなりプラークが少なくなり口臭が軽減していきます。
⑤唾液の減少
汚れが落ちず口臭がでる。
よく噛んで食事をしていただき唾液腺を刺激したり、唾液腺を手でマッサージすることで唾液の分泌量が増えるように促すことが必要です。
全身疾患や服薬しているお薬によっては唾液の分泌量が減ってしまう場合もあるので、現在の全身の状態を把握することも必要になります。
唾液の分泌量が増えることで口臭が軽減していきます。
口臭を防ぐためのセルフケア方法
歯ブラシ+補助的清掃器具で歯を磨き、清潔に保つ。
歯ブラシのみの磨きだと、歯垢(プラーク)は約60%しか取れませんが、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、80%まで歯垢除去率はアップします。
このような毎日のケアで歯を清潔に保つことによって口臭だけでなく、歯周病、虫歯などの予防につながります。
舌苔を取り除くことも重要です。
舌苔はうがいではとれません。やわらかい歯ブラシや舌ブラシでケアしましょう。
そして口の乾燥を防ぎましょう。
よく噛んで食べる、唾液腺マッサージをするなどで唾液分泌を促すことができます。
また、多量飲酒やたばこを控える、ストレスをためない、鼻呼吸を心がけることも口の乾燥予防になります。
歯医者でプロのケア
歯が痛くなくとも、半年に一回は定期的なプロのチェックを受け口の中のケアをしましょう。
口の中の病気予防につながり、かかったとしても早期に治療ができます。
口の中に原因がある口臭については、きちんと予防すれば、治すことが可能です。
病的口臭を減らす取り組みで、しっかり予防していきましょう。
まとめ
当院では口臭検査、唾液の分泌量の検査などを行い口臭の原因を調べていきます。
検査の結果お口の中の問題ではなく、消化器系に問題がある、全身疾患に問題があることもあります。
周りの人たちにも感じることが出来ないわずかな匂いでも、ご自身では強く匂いを感じることがあります。検査をして客観的なデータを見て、特に異常がなくてそんなに気にしなくていいんだと安心される方もいらっしゃいます。
口腔内が原因の方は、歯や舌の適切なブラッシング・歯周病治療・虫歯治療を行うことで口臭は軽減していきます。
しかし自分では中々適切なブラッシング方法を見つけることは難しいです。気にして無視な力でブラッシングを行うと、歯肉や舌を傷つけてしまうこともあります。
気になっていることがある方は、いつでもご相談下さい。