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2024.08.23

知覚過敏の原因と治療法について

こんにちは、衛生士の蔵元です。

毎日暑い日が続きますね。暑い日は、冷たい飲み物やアイスばかりついつい食べてしまいますよね。

食べた時、「歯がしみる」と感じたことがある方は多いと思います。

そこで今回は知覚過敏について説明したいと思います。

 

知覚過敏とは

まず、知覚過敏とは、虫歯や歯の神経の炎症などがないにもかかわらず、歯磨きや飲食などの刺激で歯に一過性の痛みを感じる症状のことです。

歯が痛みを感じる原因はさまざまなものがあり、時には判別が難しいこともありますが、痛みは歯に刺激が加わったときに現れ時間が経てば1分以内に消失することが特徴です。

 

歯の内側にある象牙質と呼ばれる層が露出し、刺激が歯の神経に伝わりやすくなることによって痛みが起こります。

歯の表面はエナメル質と呼ばれる層で覆われており、通常はエナメル質に加えられた刺激は歯の神経まで伝わることはありません。

しかし、象牙質は無数の小さな菅状の構造物があるために刺激を伝えやすくなっており、象牙質が露出した状態だと歯磨きや飲食などの刺激によって痛みを感じるようになります。

 

 

◎知覚過敏の主な原因

①歯肉の退縮

歯肉の位置は加齢とともに少しずつ下がっていきます。それに伴って歯の根っこが露出し、象牙質がむき出しの状態になります。このような象牙質表面では、歯ブラシが触れたり、温度変化などの刺激で痛みを感じることがあります。持続時間は長くとも1分以内で時間がたてば痛みは消失します。歯の表面に歯石がたくさんついている状態の場合、それを取り除いたときにも同様の状態となり、歯石をとっている時にも器具が象牙質表面に触れたり、水をかけて処置するので、知覚過敏と同様の痛みを感じることがあります。

 

②歯の破折

打撲などにより歯が破折して、象牙質が露出すると、知覚過敏症状がでることがあります。破折時には、残っている歯に亀裂が入ることがあります。亀裂の状態にもよりますが、歯の神経の部分にまで細菌が侵入して炎症を起こすこともあります。

 

③歯が擦り減ることによる象牙質露出

歯は使っていれば、わずかずつですが擦り減っていきます。その結果、エナメル質がなくなって象牙質が露出することもあります。歯の擦り減り方は人によって様々です。大きく擦り減ってしまっても知覚過敏がみられないこともありますし、わずかな範囲の象牙質露出でも知覚過敏が起きることもあります。

 

④歯が溶けることによる象牙質露出

エナメル質はph5.5程度で溶け始めます。私たちの日常で口にする食べ物や飲み物の多くは酸性です。こうした食べ物や飲み物を全てやめることは不可能ですが、炭酸飲料を長時間かけて飲むような習慣や、酸っぱい食べ物や飲み物を頻繁にかつ長時間摂取するような習慣があると、私たちの歯は簡単に溶けて、内部の象牙質が露出します。このような状態の歯を酸蝕歯といいます。当然象牙質も露出しています。象牙質はエナメル質よりも弱い酸で溶けますから、さらに歯は溶かされていき、知覚過敏も起きやすくなります。

 

⑤虫歯の治療に伴う知覚過敏

虫歯の治療をした後、その歯に知覚過敏が起きることも時としてあります。歯を削るという処置そのもので、歯の神経が痛みを感じやすくなってしまう事や、治療によって、噛み合わせた時に痛みを感じるようになることもあります。しばらく経過を見て知覚過敏がなくなる場合もありますが、再治療を行う事や、神経を取り除く治療が必要になることもあります。

 

⑥ホワイトニングに伴う知覚過敏

ホワイトニング(歯の漂白)治療によって、一時的に軽度の知覚過敏が起きることがあります。ホワイトニングで使う薬剤による影響であると考えられますが、詳細なメカニズムは不明です。家庭で行う場合1-2日間ホワイトニングを中断すれば症状は消え、再びホワイトニングを続けることが可能です。またホワイトニング治療が終了すれば、知覚過敏もなくなるのが通例です。

 

 

知覚過敏の治療法

①再石灰化を促す

知覚過敏症は、軽度のものでは期間が経過すると自然に消失することもよくあります。これは象牙質の露出部において、唾液や歯磨き剤からの再石灰化成分によって、象牙質の微細な空隙が封鎖されてくるためと考えられます。露出した象牙質は歯磨きでも痛みを感じやすくなっていますが、歯磨きを十分に行わないとプラークが付着します。プラーク中には虫歯菌がいて、酸を作りその歯の表面を溶かしていきます。再石灰化とは逆の脱灰という現象です。こうなると知覚過敏はむしろ悪化することも考えられます。知覚過敏の改善にも歯磨きはとても重要です。

 

②歯の神経の興奮を抑える

知覚過敏は歯の神経が刺激を受けて、痛いという信号を中枢に送ることで私たちは痛いと感じます。この神経の信号を送らせないようにする、つまり神経を興奮させないという治療法もあります。これは歯の神経の周囲をカリウムイオン(K+)が多く取り巻いていると神経の細胞が興奮しにくくなるということを利用したものです。実際には歯磨き剤に硝酸カリウムという成分を含ませて、この歯磨き剤を継続して使う事で、知覚過敏の改善効果があることが確かめられています。

 

③象牙質の露出部分の内部の空隙を封鎖する

露出した象牙質の内部の小さな空隙を、歯と同じような成分の結晶や、その他様々な物質で封鎖することで、歯の神経への刺激の伝達が遮断され、知覚過敏をなくすことができます。そのための材料を歯科医院で塗布する方法の他、歯磨き剤でも結晶の形成を促進する成分を含むものがあります。歯科医院で塗布する方法の方が歯磨き剤による方法よりも効果が高く即効性もあります。

 

④象牙質の露出部分を被覆する

知覚過敏のある象牙質表面を被膜で被覆することで知覚過敏をなくすことも可能です。この場合には接着剤を用いて樹脂による薄い皮膜を形成するのが通例です。この方法にも即効性があります。

 

⑤神経を取り除く

痛みの持続時間が比較的長いような場合や、その痛みが非常に激しい場合には、歯の神経に炎症などの変化が起きていることも疑われます。できれば歯の神経は温存するべきですが、生活に支障がでるようであれば、歯の神経を取り除く治療をすることもあります。

 

⑥歯肉の再生手術をする

歯肉が痩せてしまい歯根が露出している場合に、ご自身の歯肉を上顎から採取し移植したり、人工歯肉を移植することによって、痩せてしまった歯肉を再生させることができます。すると露出した歯根を覆うことができ刺激から守ることができます。

 

自分では知覚過敏であるのか、虫歯などによる痛みであるか分かりにくいですから、早めに受診することをお勧めします。

 

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