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2026.06.19

お子さんの虫歯を防ぐために知っておきたいこと|母乳・離乳食・卒乳の関係

蕨市の歯医者、蔵元歯科医院・歯科衛生士の蔵元です。

 

「まだ小さいのに虫歯になってしまった」

「母乳を続けていても大丈夫?」

「いつから歯磨きをしっかりすればいい?」

お子さんの歯のことで、こんな不安を抱えていませんか?

近年、子供全体の虫歯は減少傾向にあるものの、3歳〜5歳にかけて虫歯をもつ子供の割合が急増することがわかっています。実は、虫歯のリスクは生活習慣や保育環境、年齢によって大きく変わります。

この記事では、母乳と虫歯の関係・感染の窓・年齢別の虫歯リスクまで、歯科衛生士の視点からわかりやすく解説します。お子さんの大切な歯を守るために、ぜひ最後までお読みください。

 

最新の虫歯事情

社会全体として虫歯予防に対する意識が向上し、1人の子供がもつ虫歯の本数は減少し、その程度も一昔前に比べ軽症化しています。

しかし、最近の調査では全体として虫歯をもつ子供の割合が低下するなか、3歳から5歳にかけて、その割合が著しく増加している点が注目されています。

その要因1つとして保育環境の格差が指摘されています。とくに、保育園ではそれぞれの園によって、口腔保健に対する取り組みは大きく異なっており、その実態はあまりはっきりしていません。

母子保健に対する考え方は、時代や社会構造、疾病構造の変化とともに変わってきています。

21世紀に入り、子供の「こころの保健」の問題や、親の「育児不安」が増加しているといわれています。歯や口の健康づくりを通して、子供の心身の健全な発育と子育て環境をよりよいものとし、お母さん方には育児の楽しみを実感してもらいたいです。

 

母乳と虫歯

母乳は乳首を上あごに押し付け、しごくようにして飲むため、上の前歯に母乳が付着しやすく、飲みながら眠ってしまうと唾液の分泌量が減るため、自浄作用が働きません。それに対して、下の前歯は舌で覆われているため、母乳の付着が少なく、唾液によっても洗い流されます。そのため、上の歯に虫歯があるのに、下の歯に虫歯がないという特徴的な様子がみられます。

その症状から、虫歯の原因が母乳(哺乳瓶も同様)かどうかを見極めることは比較的容易なことです。では、母乳保育の子供は必ず虫歯になるのでしょうか。

いいえ、母乳だけでは虫歯になりません。歯が生えるとすぐ、虫歯の原因菌である「ミュータンス菌」が歯の表面に定着します。

このミュータンス菌が歯の表面に着いた母乳や離乳食の食物残渣の中に含まれる糖質(ショ糖)を栄養源として酸をつくり、エナメル質を溶かして虫歯にするのです。では、ミュータンス菌はどこからやってくるのでしょうか。

お母さんの口の中から4割、次にお父さん、保育者からくることもあります。育児に関わるすべての人が自身の口の中の環境を整えることで、子供の虫歯予防につながります。

※1歳前後は上下の前歯しか生えていないため、歯並びには隙間があり、虫歯になりにくい状態といえます。この時期に虫歯がみられるという事は、離乳食や哺乳瓶による糖質の過剰摂取が疑われます。

 

離乳期は育児の難所

離乳は乳汁栄養から固形栄養への移行過程であり、お母さんにとっては「育児の難所」といえます。

赤ちゃんにとっては、飲むから食べる、呼吸しながら飲むから息を止めて飲み込むという大きな切り替えをしなければなりません。まさに、離乳期は吸って飲むという行為と、噛んで飲み込む行為(摂食・嚥下)との両刀使いの時期なのです。

この難所を乗り切ることができるのは口の奥(咽頭)とのど(喉頭)との距離の増加(喉頭下降)や、歯の萌出が挙げられます。切り替えが上手にできない場合には、丸呑みになってしまったり、むせたり、食べるのを嫌がったりします。

1~2歳は、食べる機能の発達期で、その機能は学習することで備わります。しかし、学習できるか否かはリアルタイムではわかりません。はっきりするのは3歳~5歳が最初のチェックポイントになります。

3歳を過ぎたころから、子供の食べる様子をよく観察してください。乳歯がすべて生えそろう時期なので、食べ物の種類や量、食べ方が3歳以前に比べ、飛躍的に上手になります。

そのため、集団生活の中で、食べる様子がほかの子供と違うことに気づきやすくなります。つまり、保育者の気づきが大切であり、早い時期に食べるトレーニングを行えば、正しい機能を身につけることが可能になるのです。

 

卒乳と感染の窓

厚生労働省のガイドラインによれば、卒乳は18か月を目安にすることになっています。

この18か月という時期は歯科にとっても大きな意味をもっています。18か月になると奥歯が生え、全部で16本の乳歯が生えそろいます。つまり、奥歯で食べ物をすりつぶせる機能が備わるのです。

この時期に乳汁や、歯ぐきでつぶせる固さの食べ物ばかり与えていると咀嚼機能が育たず、嚙まない事が普通になってしまいます。また、この時期は子供の口の中でも大きな変化がみられます。虫歯の原因となるミュータンス菌やソブリヌス菌が口の中に定着しやすくなるのです。事実、卒乳が遅れている子供の多くは、夜間の哺乳瓶使用が残るといわれていますので、虫歯が定着しやすい生後19か月(1歳7か月)から31か月(2歳7か月)の時期はまるで窓を開け放ったかのように集中的に虫歯菌が感染することが、臨床研究によって明らかになっています。つまり、虫歯菌が急増する前に卒乳を完了しておくことは虫歯予防の点からも理にかなっています。

 

年齢からみた虫歯

虫歯ができやすい場所は、年齢と歯の生え方でかわります。

1~2歳では、前歯の外側(唇側)や隣接面に虫歯ができやすく、上の前歯が下の前歯より虫歯になりやすいです。

0~2歳までは特に上の前歯を丁寧に磨きましょう。ただし、神経質になることはありません。1日1回の丁寧に磨きましょう。2歳後半から3歳までは、奥歯の溝が虫歯になりやすいため、歯磨きをするときは、まず奥歯の溝からはじめましょう。

そして4~5歳では、奥歯の歯と歯の間に虫歯ができやすくなります。仕上げ磨きは、虫歯のできやすい場所を知った上で行うと効果的です。もちろん、歯磨きだけでは、虫歯予防は完璧とはいえません。食生活習慣やフッ化物の応用による歯質の強化など、多方面からの対策によって、虫歯が予防できることを忘れないでください。

全ての年齢を通じて、就寝前の歯磨きがもっとも大切です。就寝前にしっかりとした歯磨きとフッ化物塗布と実践することで、再石灰化を促進し、丈夫な歯をつくることができます。就寝中は唾液の分泌量が低下するため、フッ化物の濃度を一定に保つことができ、かつ食物摂取がないため唾液のpHもほぼ一定に保たれていることから、効率的にフッ素を歯に取り込むことができます。

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