2026.10.19
抜歯前後に知っておきたい6つの注意点|食事・運動・歯磨きのポイント
こんにちは、蕨市の歯医者、蔵元歯科医院の衛生士蔵元です。
抜歯は歯科治療の中でもっとも多い外科処置と言われています。
簡単に終わる抜歯もあれば、骨を削って時間がかかる抜歯もありますし、麻酔が効きにくい場合もあります。抜歯後もすべて問題なく終わるわけではなく、腫れたり、痛みが続いたりさまざまです。患者さんにとって、抜歯はとても恐怖を感じる外科処置の1つだと思います。
患者さんに「痛くないのですが抜かなければならないのですか?」という質問を受けることがあります。抜歯は患者さんにとって大きな損失ですので、大きな精神的ダメージを受けることは間違いありません。われわれ歯科医療職と患者さんの間には、治療に対する理解に大きな隔たりがあると思います。患者さんが怖い思いをしている時に、こちらが一生懸命説明しても、伝わらないことがあったり、家に帰った後は忘れたりするものですので、患者さんにもわかりやすく、頭に残るような説明を心がけています。
①痛くなる前に抜歯したほうが良い
痛みが出てからの抜歯は良いことがないです。痛いときには「抜歯しなくては」と思うけれど、痛くなくなると、「抜歯しなくてもいいんじゃないか」って思いがちですよね。しかし、基本的に歯ぐきが痛い時の抜歯はおすすめしません。
まず、歯ぐきの痛い時に抜歯しようとすると、麻酔が効きにくいことがあります。また、痛い歯ぐきは体に残って、痛くない歯だけを抜くため、抜いた後痛い部分は残ります。痛い部分をたくさん触って抜くので、抜いた後が痛いし、場合によっては抜いた後に感染してひどく腫れたりすることがあります。痛みがひどい時は細菌が歯の周りにたくさんいるので、その細菌が体の中に入って熱が出ることもあります。抜かずに様子を見た結果、また腫れてしまったら、痛くなくなるまで時間がかかります。そのうえ抜歯した後も痛ければ2回痛い思いをしなければなりません。痛くなる前に抜くのが一番痛くない方法です。
※抜歯を避けたほうがよい時期もあります。
妊娠初期や妊娠後期はなるべく抜歯を避けたい時期です。出産するまで抜歯を延期することもあります。将来出産を考えているのであれば、妊娠前に抜歯しておくことをお勧めします。また、勉強や仕事が忙しく、治療をしている場合ではない時期に痛くなると困るので、その前に抜歯を済ませておきましょう。
②出血の程度に合わせて対応します(来院の目安や、抜歯部位への圧迫の注意点など)
血がにじむ程度であれば様子をみてOKです。
口の中にはつばがいっぱいありますので、つばに血が混じって多く出ているように感じる場合もあります。次の日まで血がにじむという人も多いので、にじむ程度であれば様子をみて大丈夫です。枕にタオルをかぶせて寝るのもいいと思います。口の中に大量の血液が溜まってくるようなら止血処置が必要なので来院してください。
また、ガーゼ等で十分に圧迫することが重要です。
抜歯後にガーゼを噛んでいただきますが、 そのガーゼを他の歯で噛んでいると抜いた部分を十分に圧迫できません。抜歯した部分を十分に覆うようにガーゼを当てて、口をしっかり閉じましょう。抜いた部分を入れ歯で覆うことができるのであれば、入れ歯で押さえておくことも効果的です。麻酔が切れた後、ガーゼを噛むことが痛くなることもあります。その場合、再度麻酔をすればガーゼを噛みやすくなるので、来院してください。抜歯した部分に大きな血の塊ができる場合もあります。血の塊は神経が通っていないため、指で掻き出しても痛くありません。掻き出したら血が少しにじむので、すぐにガーゼで圧迫してください。自分でできなければ来院してください。
③抜歯当日は運動は避ける
運動によって、血液の循環量が増えて血圧が上がり、毛細血管が拡張するため、抜歯した部分の出血や痛み、腫れの原因になることが考えられます。
翌日に発熱や激しい痛みなどがなく、激しい運動をともなわなければ、運動や仕事は少しずつ行っても大丈夫です。ただし、痛くなくても、「走ったら傷に響いた」という方もいらっしゃるので、注意が必要です。
また、飲酒も循環血流量が増加しますので、同様に注意が必要です。
④腫れや痛みのピークは2~3日で1週間かけて引いていきます
抜歯後に腫れが強い場合、2~3日がピークで1週間かけて引いていきます。痛みには個人差がありますが、親知らずの抜歯では1週間ぐらい痛み止めが必要なことがあります。普通の抜歯ではあまり痛くないかもしれません。痛み止めの効きが悪い場合では、ドライソケット(抜歯した穴の骨が露出してしまっている状態)になっていることがあるのでご連絡ください。
⑤抜歯した部分は数か月かけて治っていきます
抜いた部分には穴があき、穴の中に血液が溜まります。溜まった血液が塊を作ると、それが歯ぐきや骨になります。血が固まりにくい場合、血液の塊が残らずに強い痛みが出ることもあります。
⑥食事は麻酔がとれてから摂り、歯磨きはできる範囲でしてください
麻酔がとれる前に食事すると、舌や唇を咬んで口内炎になる可能性があります。麻酔がとれてから、軟らかいものを食べてください。歯磨きは怖くてできないと思いますので、できる範囲で構いません。次回来院したときにきれいにしましょう。
抜歯後の注意点を守り、安心して回復期間を過ごしましょう
抜歯は患者さんにとって不安や恐怖を感じやすい治療ですが、抜歯後の過ごし方や注意点を知っておくことで、トラブルを防ぎ、回復を助けることができます。
抜歯後は出血や腫れ、痛みが生じることがありますが、多くの場合は時間の経過とともに落ち着いていきます。抜歯当日は激しい運動や飲酒を控え、傷口を刺激しないように過ごすことが大切です。
また、痛みがないからといって、必ずしも抜歯の必要がないとは限りません。抜歯が必要と診断された場合は、放置するリスクや治療のタイミングについて、歯科医師と十分に相談しましょう。
蕨市の蔵元歯科医院では、患者さんの不安や疑問に寄り添い、一人ひとりのお口の状態に合わせた治療や説明を心がけています。
抜歯について不安なことがある方や、抜歯後の痛み・腫れが気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。